日本政府は4月14日、岸田文雄首相が「日本の魅力を発信する観光拠点になることが期待される」と述べた、大阪での国内初のカジノリゾート開業を承認した。
初期投資額1兆800億円(550億ドル)のこの計画は、2029年までにカジノ、コンベンションセンター、その他の施設を備えた統合型リゾート(IR)の開業を目指すもので、日本がゲーム産業に進出する大きな一歩となる。
大阪IRは、米国に本社を置くインターナショナル・リゾート・グループ(MGM)と日本に本社を置くオリックスがそれぞれ40%の株式を保有し、計画を主導する。 残りの20%は、大阪に本社を置くパナソニック、関西電力、西日本旅客鉄道などの日本企業20社が保有する。 三菱UFJフィナンシャル・グループと銀行が5,500億円を融資する。
計画文書によれば、大阪のリゾートは主にゲームによる年間売上高5200億円を目標としており、年間600万人の外国人観光客と1400万人の国内観光客を誘致する見込みである。
日本のゲーム産業は根深い
厳しい規制と保守的な民俗を持つ日本が、実は熱心なギャンブラーであり、ゲーミング産業からの収益は、流行前の2019年には2620億円にも達するとは、一般の人には想像しにくいかもしれない。
日本ではカジノが違法とされて久しいが、競馬、競艇、オートバイ、自転車の4大公営競技やパチンコ、サッカーリーグのtotoくじなど、一部のギャンブルは営業が認められている。 この中で最も人気があるのはパチンコである。
パチンコは日本独特の球技で、機械に小さな玉を入れ、指定の穴に弾き、当たると特定の数の小さな玉が吐き出される。 通常、機械は1分間に70~80個の玉を打つことができ、平均3分間で約60人民元かかる。 獲得した小さな鉄球は直接現金と交換することはできないが、交換されたタバコ、電子製品、食料品は転売され、間接的に現金と交換することができる。
パチンコ産業は巨大であり、大衆の基盤もかなり深い。 最盛期には日本全国に13,000以上のパチンコ店があり、パチンコ人口は全人口の約13%を占めていた。 日本ぱちんこ遊技機工業協同組合の調査によると、2016年度の日本のぱちんこ業界の従業員数は約31万人で、これは日本の自動車会社上位10社の従業員総数の1.5倍に相当する。
しかし、日本経済の低迷により、パチンコ業界はここ20年で30兆円から14.9兆円(2020年)へと規模が縮小している。 1パチの単価は1円から4円程度だが、ギャンブル依存症で財産を失うケースは非常に多い。
日本の厚生労働省による2017年の調査では、日本全国で約320万人、成人人口の約3.6%がギャンブル依存症であり、その割合はオランダ(1.9%)やフランス(1.2%)を大きく上回っている。
多くの世論調査で、日本国民の多くがカジノ合法化に反対している。 ギャンブル依存症や組織犯罪につながるという批判がある。 日本の読売新聞の調査によると、カジノ合法化に反対する日本人は57%で、ギャンブルに賛成する人は20%から30%しかいなかった。「ギャンブルを偏狭な産業として考え出すのは、行き詰まった政治家だけなのか?」と疑問視する声さえあった。
なぜ大阪なのか?
世論調査によれば、多くの日本人はカジノ合法化によってギャンブル依存症や犯罪の問題が深刻化することを恐れているが、約1億2600万人の豊かな人口を抱える日本は、国際的なゲーム会社からは常に重要な市場と見なされており、アジアのギャンブル産業の「眠れる巨人」と呼ばれている。
一方、カジノの合法化は一部の日本人にとって待ち望まれていた。 昨年テロで亡くなった安倍晋三元首相は、強力な支持者・推進者の一人だった。2014年5月、安倍首相はシンガポールでカジノを含む統合型リゾートを特別視察した後、この構想が日本の経済成長戦略の「光明」になることを期待すると発言し、任期中に強力に推し進め、カジノ合法化は「安倍経済学」とみなされた。 カジノ合法化は「安倍経済学」の柱のひとつとみなされている。
2018年、与党・自由民主党(自民党)の護衛の下、国会はIR法案を正式に可決し、3地域までを承認した。 この法案は日本政府が提案したものではないが、安倍首相はこの法案を提案した党派を超えた議員連盟の元最高顧問であり、「Integrated Resorts」の略で、カジノを含む統合型リゾートを意味する。 IR法案の成立は、特区の設置を通じて日本で民間賭博が合法化されることを意味する。 日本政府は、カジノ運営を管理・監督するカジノ管理委員会を設置する。
古都・京都に近く、大きな国際空港を有する大阪は、常に国内外から人気の高い観光地である。 大阪はIR法成立後、いち早くゲーミングライセンスを申請した地域の一つである。 現在、大阪に加え、日本の南に位置する長崎県が提出した入札が審査中である。
日本におけるゲーミングへの投資は、一般的な国よりもはるかに難しく、特に地元住民が反対することが多い。 しかし、大阪府民は投資家たちに別の驚きを与えている。つまり、IR計画全体が大阪では大きな抵抗に遭っておらず、大阪府民は現地でのゲーミング・プロジェクトを積極的に受け入れているようであり、地元のタフな人々の文化を考えれば、それも予想されることである。 同時に、吉村大阪府知事も全面的にバックアップしており、政府と府民は同じ方向を向いていると言える。
観光庁が設置した有識者会議は、長年の判断の結果、大阪府と大阪市は事業者の経営安定性やギャンブル依存症対策などの面でカジノ開設の要件を満たしているとした。
これらの情報から、将来、大阪にカジノがオープンした場合、日本人の入場料は6000円で、日本人の入場は週3回まで、外国人の入場は無制限となることが予想される。 要するに、日本は地元民のカジノ入場を奨励していないのである。
コメント